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特別なお菓子

ローファットケーキ

ローファットケーキについて

ローファットケーキは食事制限が必要なクローン病の中学生の女の子との出会いから生まれました。
一日に摂取できる脂質は40gまでという厳しい食事制限の中で、誕生日やクリスマスなど特別な日に娘が食べられるケーキはないのか?
そんな彼女のお母様からの問いかけに応じて、試行錯誤して出来上がったケーキです。

ローファットケーキは、無脂肪牛乳や無脂肪ヨーグルト、新鮮なフルーツを使って作ります。
土台となるスポンジに含まれる卵の脂質と小麦粉に含まれるわずかな脂質はあるものの、それ以外の脂質はほとんど含みません。
嗜好性を高める油脂による「コク」が望めないので、「爽やか」「さっぱり」というほうに美味しさの重点をおいています。

ただし、持病で食事制限をされている方にとって、口にするものが時に「毒」になることもあり得ます。
ローファットなら全てOKというわけではないので、より慎重に見極める必要があると考えます。
クローン病であれば寛解期で症状が落ち着いている場合に限りますし、人によってNGフードも異なるのでその点も注意が必要です。

材料に制限があるため、どうしても作れるお菓子には限りがありますが、脂質を除くという点で視野を広くもっていけば新たな突破口が見つかるかもしれません。
少しずつレシピを増やしていけたらと思っております。

使用する材料と脂質量

脂質の含有量については、卵(卵黄):6.5g/L玉1個、薄力粉:1.7g/100g、コーンスターチ:0.7g/100gで計算

基本のスポンジ

卵2個(1個60~70g程度のL玉)脂質量13g
砂糖 50g~60g(上白糖もしくは粉砂糖)脂質を含まず
小麦粉 50g~60g(薄力粉) 脂質量0.85g~1.02g
無脂肪ミルク 10g程度(銘柄は特に指定無し)脂質を含まず

基本のムース

砂糖70g~80g(上白糖もしくは粉砂糖)脂質を含まず
果物150g~200g(苺以外はコンポートにしてから使用)脂質を含まず
無脂肪ヨーグルト150g~200g程度(銘柄は特に指定無し)脂質を含まず
無脂肪ミルク30g程度 脂質を含まず
卵白2個分(60~70g程度)脂質を含まず
板ゼラチン4枚(12~15g)脂質を含まず

ローファットケーキ一覧

  • 白桃とブルーベリーのムース

    夏の果物といえば瑞々しい白桃です。白桃をコンポートにしたものをたっぷり飾ってみました。切り分けると下の層は鮮やかなブルーベリーの紫色のムースになっていて綺麗です。熱を通したコンポートのフルーツはお腹に良いそうでより安心です。サイドはアプリコットジャムを巻いた細巻のロールケーキで飾ってみました。

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  • 白桃のムース

    コンポートの桃と無脂肪ヨーグルトを合わせてムースにしました。側面と底にはプラムのジャムをサンドしたスポンジを配してみました。上面に並べた白桃のまわりに葡萄のゼリーをアクセントで飾っています。この葡萄のゼリーは白桃と無脂肪ヨーグルトのムースの中にもキューブ状にして入れています。

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  • アプリコットのムース

    アプリコットのピュレに無脂肪ヨーグルト等を合わせたさっぱりしたムースの上には、アプリコットとレモンのクラッシュゼリーを飾ったものです。赤いハートはスモモをシロップ煮にした時に出たシロップをゼリーにしたものです。

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  • ヨーグルトのケーキ

    ベイクドチーズケーキのようにみえますが、ヨーグルトのケーキです。スポンジの上にヨーグルトのフィリングを流して蒸し焼きにします。無脂肪ヨーグルトを使えばよりローファットなケーキに仕上げられます。酸味の効いたさっぽりした美味です。

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篁流かすてら

概要

材料は卵、小麦粉、砂糖、水飴、たったそれだけ。

遠い異国から伝わった西洋のお菓子は、日本の気候や日本人の嗜好に合わせて進化して美味しい日本独自のお菓子に進化を遂げました。

かすてらとスポンジケーキ(洋菓子)はほとんど同じ材料から作られますが、決定的に違うのはその焼き方です。
スポンジケーキは生地を釜入れしてから一気に焼き上げるのに対し、かすてらは生地を釜に入れた後からが本番の作業になるのです。

オーブンの熱で生地表面が膜を張った状態になったら、専用のヘラで生地をほぐしながら混ぜ合わせていきます。
その「泡切り」という作業を3回繰り返した後に、焼き色を付け、生地の膨らみ状態に合わせて枠を重ねて焼き上げていくのです。

かすてらの良い匂いはこの時使う木の枠の匂いです。
洋菓子が鉄やステンレスの型を使うのに対して、かすてらは木と紙で出来た枠を使っています。
かすてらのなんとも言えない優しい味は、この木が持つぬくもりが伝わるからだと思います。

私が属す篁流(こうりゅう)かすてら研究会では生地から手作業で仕込み、1枚1枚オーブンにつきっきりで丁寧に焼き上げています。
「カステラ」ではなく平仮名の「かすてら」としてのこだわりを持ち、会員同士、日々研鑽を積み重ねています。
クリームを絞ったりフルーツを飾ったりしたケーキの華やかさはありませんが、手作りのかすてらの味はしみじみとした天国の味、極楽の味です。
機会がありましたら是非一度ご賞味ください。

篁流かすてら研究会で焼いたものをお分けすることも可能(有料)ですので、ご興味のあるかたはお問い合わせフォームよりご相談ください。

「篁流(こうりゅう)」とは・・・

かつて、長崎カステラが特別なお菓子だった時代、その作り方は秘伝とされ、職人1代で12人しか弟子をとれなかったそうです。
私達の師である前川一夫先生は、カステラの本場である長崎カステラの第一人者である故中村寛成先生の12人の弟子の1人です。
前川先生自身はすでに12人の弟子をとられていたので、私達は前川先生の最後の弟子である松屋清風庵(福島市)の菅野嘉春氏の弟子という形をとらせていただいています。

前川先生の号が「松鯉」、その一字をとって菅野氏は「松篁」という号をお持ちです。
私達はその「松篁」の弟子にあたるので、それぞれ「篁」の一字がついた号をいただいております。
その「篁」がついた者達が属する研究会なので「篁流かすてら研究会」といいます。

ちなみに私の号は「篁織」(こうしょく)です。
もし、私が弟子をもったとするとその弟子には今度「織」の文字がついた号をつけるわけです。
前川先生が菅野氏になぜ「篁」の字をつけられたか、その真意はわかりませんが、私達には「かすてら作りはまるで竹藪の中に入り込むかのような道だ」ともおっしゃっています。
また「竹」=「かぐや姫」の連想から私がいただいた「冠」には「衣」の字を選ばれたそうです。

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